あとがき‐この作品が作られた経緯‐

あなたが最近落ち込んでしまった出来事はなんですか?

例えば、大好きだったあの子にフられてしまったとか、授業の単位を落としてしまったとか、応援してた野球選手がかつてゲイポルノに出演してた、ということをを知ってしまったとか、人によって落ち込んだ出来事というものは様々だと思います。

 

 私が最近落ち込んだ出来事は「とある潔癖症の親子の話」を知ったことです。この話は有名な交流掲示板に書き込まれていたもので、子育てに困った母親の視点で綴られる日記形式のようなものでした。なんでも、その母親は外出から家に戻った時と11時間おきに5分間、手洗いをすることを自分の中に絶対のルールとして設けており、中学生の娘にもずっとそれを強制していて、手を洗う時間が1秒でも短かった場合、罰としてその日1日は食事にありつけなくなるという徹底ぶりを見せつけていました。

 

ある日、ついに娘が「手が荒れるから、必要以上にこんなことはしたくない」と長年抱き続けてきた抗議の言葉を投げかけたところ、怒り狂った母親に激しく折檻され、「汚らわしいヤツめ!清潔さを保とうともしないなんて、アンタは狂ってるとしか言い様がないわ!」と娘のありもしない不潔さを憎み、罵倒した挙句、精神病院に連れて行き、その「不潔さ」とやらを矯正するためにカウンセリングを受けさせることにしました。当然カウンセリング結果は「娘には異常はなく、母親に重大な異常アリ」というものになり、病院はあてにならないと判断した母親は、手の清潔さを保てないようなら、いっそ両手を切断してしまうのはどうだろうか、と猟奇的かつ野蛮な解決方法を自らのうちに見出したのでした。

 

その後、母親が本当に娘の両手を切断したのかどうかは日記が途切れていたので分かりませんでしたが、清潔さへの情熱を無意味にみなぎらせ続けるその教育方針を何の疑いもなくとりつづける母親―――。そして、抗うこともできず、その狂気によって激しい折檻を度々受けることを余儀なくされた罪なき少女。この現実離れしすぎている話を掲示板にて目にしたとき、私は「救いがなさすぎるだろ」と、とんでもないくらいに落ち込みました。

 もし、その少女が母親との関わりがなくなり、非常識というものに束縛されることのない、まともな人生を歩めるようになったとしても、長年受け続けてきたその教育が呪いとなって、普通の生活を享受できないような感覚に少女を仕立て上げてしまうのではないか。    

その名前も知らない少女の生末に途方もない不安を抱いたのが、この漫画を形作るアイディアとなりました。

 

元気にやってるといいな、その子…。

あとがき‐影響を受けた作品‐

 とくに影響を受けた作品は【マルドゥックスクランブル】という冲方丁先生の小説です。内容は周囲の存在全てから虐げられ続けてきた少女が、信頼できる仲間を得たことによって、自身を滅ぼそうとするその邪悪な運命に抗うことを決意する―――、というもので、この漫画のテーマでもある『抗うこと』というのはこの小説を読んだ感動からもたらされました。

 あと、刻まれた傷は癒えることなく、絶えずそのものを苦しめる呪いともなり得るが、やがてその傷がその者の強さとなっていき、最終的には多くの苦悩する者たちを救済する勇気ある力となりえるだろう―――、という点にあまりにも共感と感動を受けすぎたため、

「そっか!ならば、弱者であるヒロインをもっと酷い目に合わせれば、それだけ強者として覚醒する際のカタルシスは比例して増大するんだ!」

という単純思考のもとで、不良たちの手で流々子をグチャグチャにレプする予定だったのは内緒です。

 それと遠野木と羽所という名前は「真夏の夜の淫夢」という恋愛映画に収録されている短編「昏睡レ○プ!野獣と化した先輩」の登場人物である野獣先輩――もとい田所と、その後輩である遠野から取りました。彼らの三船敏郎にも劣らぬ迫真の演技は、時間を忘れてしまうほどのものなので、視聴をおすすめします。興味があったらこ↑こ↓(http://www.nicovideo.jp/watch/sm18764067へ見に行きましょう。ただし、暴力・およびグロテスクなシーンが含まれているので注意です。

↑ 作者近影。24歳学生。昔は太っていた。

 また、偉大なるロリ漫画家、クジラックス先生からも影響を受けてます。氏の描く少女の苦痛と恐怖・嘆きなどは写実的なものとは対照的な漫画チックなタッチで表現されています。にもかかわらず、まるで実際の場面をリアルタイムで目撃しているかのような感覚に浸らせてくれる説得力のある技法によって構成されているため、エロ漫画を超越した漫画技術の祭典というものを我々読者に提供してくれます。

 私の漫画は絵の上手い部類には入らず、作画も安定していないという欠点があるため、せめてでも「魅せる部分だけは徹底して魅せよう」ということにしてます。なので、見処の嘆きのシーンなどは著書「ろりとぼくらの。」の作品にて無慈悲に搾取・蹂躙される少女たちのグチャグチャに歪んだ泣き顔をかなり参考にさせていただいてます。

 

ちなみに氏の作品の中で一番好きなのは「ロリ裁判と賢者の石」です。こちらは現代の司法が抱える重大な欠陥についてや、凶悪事件などのニュースに集る大衆というものが、とてつもない偽善性秘めた俗悪極まる存在である、ということを論理的叙述ならぬ、エロ漫画的手法を用いて風刺したものです。初めて読んだ時はその斬新な漫画的表現方法に

 

「ああ!私は今歴史的瞬間に立ち会ったのだ…!漫画という表現方法は無数もの可能性を秘めた永遠の希望的存在なのだと、今その真理に到達したのだ!それを気づかせてくれたクジラックス先生…、いやGodよ。貴方がこの漫画界に降臨していることを私は今、全身全霊を以て祝福します!」

 

と、並々ならぬ歓喜の念を感じたのを今でも覚えております。この文章をお読みの皆さんも私とともに新たなる可能性の夜明けを垣間見ましょう。クジラックス先生の「ろりとぼくらの。」を購入して!

↑ 『ろりとぼくらの。』の2冊購入に心を躍らせる作者(本物)。頭悪そう

 長くなりましたが、これにて『メフォスト-Future In The Bullet-』は終了します。途中で折れることなくこの作品を書き続けれたのは、心温まる応援・厳しくもためになる批評をしてくれた読者さんたち―――、そして毎回ネームを練るのに力を貸してくれた弟のおかげです。ありがとうございます。また、私の漫画的技法の神聖なる礎となってくださったクジラックス先生にも感謝の意をここに表します。もちろん次回作も書くつもりで、そちらはとある「楽聖」を中心にした伝奇になる予定です。

 

 よろしければ次回作の方もお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

読者「つーか、やたらとクジラックス先生押しのような気がするけど、もしかして『ろりとぼくらの。』の宣伝をしたかっただけじゃ…」

 

ひつじ「そうだよ(便乗)」

 

 

TOPへ戻る